半跏趺坐 -hankafuza-

ソウルジェムの濁りきったアラサー第二童貞がココロの平穏を目指す話

平らな床でつまづくよりも醜悪なそれは

そのアーティストの話をしたことがある

ならば、それを再生するとき

わたしの記憶は苦痛となる

 

うどんのこだわりを聞いたことがある

ならば、うどんを茹でるとき

私の記憶は苦痛となる

 

無糖の炭酸の話をしたことがある

ならば、無糖の炭酸を飲むとき

私の記憶は苦痛となる

 

白菜を凍らせて保存していたという

ならば、白菜を調理するとき

私の記憶は苦痛となる

 

 

返せなかった恩がある

優しさに報いれなかった

わたしの罪

 

嫌いになった人間が多すぎて

わたしは今も彼ら 彼女らと

縁を切ることができない

その憎しみの粘度ゆえに

唾液はセメント 乾いて固まり流れない

 

サンティアゴ・デ・コンポステーラ

贖罪と巡礼の道は続く