半跏趺坐 -hankafuza-

ソウルジェムの濁りきったアラサー第二童貞がココロの平穏を目指す話

誰も理解しないであろう、この痛みを

「つらい」

何が?

 

「不安で押しつぶされそう」

何で?

 

「裏切られる予感があるから

お互い傷つくだけで終わりそうだから」

意味わかんない。

 

「だよね」

 

・・・・・・

 

おそらくあの娘から好かれている。

こちらも気になっていた人だから、それはまたとない幸運には違いない。

違いないのだが、意識すると今度は悪い意味で気になる部分が目についてくる。

 

感情より合理性優先の考え方。

比較的ストレートな物言い、言葉のトゲに無頓着な様子。

 

もうこれ以上、いい顔見せないで、いい格好しないで距離を置いた方がいいのか。

 

確かに言った。

いつまで彼女が出来ないんだと。

いい加減にしてくれと。

 

だからといって誰でもいい訳じゃない。

優しい人がいい。

優しい人じゃなきゃ、こちらが削れてなくなってしまう。

 

優しすぎて、他人を攻撃できなくて、行き場のない感情は自分の腕に向けるしかできなくてついアームカットしてしまうような、そんな不器用過ぎるプチメンヘラな人がいいです。

それ元カノですが。

 

件のその女性は20代前半で髪は黒ストレートでピアスも開いている様子がなくて、顔はまああんまり造形が良い方とは言えないかもしれないけど愛嬌のある表情をしていて、小柄で身体が細いのにさりげなく胸は大きくてたぶんEかFはあるしもしかしたらもしかしたら男性経験ないかもしれなくて。

 

でも。

そんなこと、全部どうでもいい。

全部どうでもいいんです。

 

ヤレればいいなんて時期はとっくの過去に通り過ぎたしそもそもそんな単純な精神構造は最初から持っていたらこんなにくだらないことでいつまでもひとり悩み苦しんだりはしていない。

 

わかっている。

側から見れば、十分過ぎるほど恵まれた環境にいること。

 

でも、いついかなる状態でも生きている限り苦しみはつきまとうと思い知る。

それならいっそ孤独を飼いならして、単独者として一人生きる態度を貫き、死が訪れるその時を穏やかに待つ方が賢明なのでは?

 

もうこれ以上、他人に期待したくない。

期待して、裏切られる結末は味わいたくない。

ただでさえ、もう限界と思いながらここまで生きてきて、今も生きている。

 

他人への疑念は毒だ。気力と時間がひとりでに消耗していくのに、解毒アイテムの手持ちがない。

疑いが晴れずに悶え苦しむ時間は続く。

どの診療科を受診すればいい?

誰か教えてくれ。